私の“想い出の一曲” ♪お~い♪

私の“想い出の一曲” ♪お~い♪
出野徹之(KTV)

時々、「お~い」で始まる歌が口をついて出ます。
♪  おおい どしたい 元気かい
  ネオンまたたく街角は うれし涙のわくところ
  吹けば飛ぶ飛ぶ 飛ぶよな仲間なら
  なんで離さりょ この腕(かいな)
  僕もやるから君もやれ
  ポルカ歌って ポルカ歌って 夜の更けるまで ♪

憶えている方もあるでしょう。若原一郎が軽快に歌った「吹けば飛ぶよな」という曲。小学生の時の聴き覚えなので、「このカイナ」の部分を「(一緒に)来ぬかいな:来ないか」と憶えて歌っていたのは今となってはお笑いですが。
長じて「この腕:かいな」だと知り、負け惜しみながら語彙がひとつ増えました。3番までの歌詞を全部ご紹介はできませんが、昭和の良き時代のサラリーマンというか“若き会社員”の雰囲気が出ていて印象深く憶えている歌です。3番まで共通の歌詞は「ポルカ歌って~夜の更けるまで」の個所です。ポルカが何なのか、知りませんでしたが、昭和30年代にしては、とても洒落た歌詞だと思いませんか?中々売れなかった若原一郎の最初のヒット曲だそうです。
そう言えば、若原の「お~い」がもう一曲ありましたね。「おーい中村君!」これも軽快なサラリーマン歌謡でした。

♪  おーい 中村君
  ちょいと待ちたまえ
  いかに新婚ほやほやだとて
  伝書鳩でも あるまいものを
  昔なじみの 二人じゃないか
  たまにゃつきあえ
  いいじゃないか 中村君 ♪

“新婚の中村君”が会社員仲間にからかわれている様子が可笑しい歌です。「・・・ほやほやだとて」「・・・あるまいものを」、最近ではあまり使われませんが響きの良い日本語が、さりげなく歌詞になっているのも良いですね。3番まで、ちゃんとストーリーになっています。”懐かしがっている”あなた、ネット検索してみて下さい。2曲とも、世の中に余裕があり、人との付き合いにも人間味が溢れていた時代の“余韻”を感じさせる曲だなぁ、と今しみじみ思っています。
もう一曲、良き時代の風景が浮かんでくる「お~い」を。

三橋美智也「赤い夕陽の故郷」
(お~い)
♪  呼んでいる 呼んでいる
  赤い夕陽の故郷(ふるさと)が
  うらぶれの旅をゆく
  渡り鳥を呼んでいる
  馬鹿な俺だが あの山川の
  呼ぶ声だけは お~い聞こえるぜ ♪

世知辛い昨今、「お~い」の先に何か見える時代にならないかなと思いながら時々歌っています。

出野徹之(KTV)

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